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少女漫画は時にとてつもなくフェミだ「7SEEDS」……漫画の力はすごいって話③−3

  男と女の見る世界はこんなにも違うのか? 

フェミと言わずしてフェミニズムを語るストーリー。フェミニズムの文献を物語で表現したらこうなるのかも!?

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このコマの、このセリフのために、作者はこのエピソードを描いている!

そんなセリフと共に、お勧めSFサバイバル超大作「7SEEDS」を紹介しています。 ①②はこちら↓

 

   もし私が、あんたがまだオッサンになる前に死んだら、この漫画を読め。 私が親として伝えておきたいこと、教えておきたいことはほとんど...
私たちは日本という巨大な機能不全家族で育てられているAC(アダルトチルドレン)だ。 このコマの、このセリフのために、作者はこの...

 

 

 

 

3フェミニズムはこの社会をサバイバルするのに必要。

 

土台にフェミニズムの基本が感じ取れない物語はもう安心して読めなくなりました。

ここ数年、小説は作者が女性のものしか読んでいません。

かろうじて漫画は作者が男性のものでも読めていますが、いちいちフェミ的視線でツッコミを入れてしまい堪能できません。

 

 

多く見る男性誌連載のサバイバル漫画なんてそりゃ女の描き方はひどいもんです。

そういう意味でも「7SEEDS」は安心して読めたうえ、物語の端々でフェミが語ってきた問題をキャラクターに表現させていて、とてもリアリティがありました。

 

作者がすごく意識して描いたであろうそんな箇所を見て欲しいと思います。

 

                                          Aチームを選別してきたトレーナーへの恨みから娘のへ加害(レイプ)する安吾

 

 

「こんなことで あたしが傷つくと 思うな

こんなことで 支配できると 思うな!」
                                                   
暴力を力として肯定的に描く青年誌サバイバル漫画では力で女を組み敷くレイプシーンを濡れ場として煽情的に描く。 ハーレムを作るのもお決まり。 
                                                                                                                                                       

しかし本作では性は決して煽情的にエロティックなものとして描かれない。

ときに支配欲、加害欲のあらわれ、ときに生殖行為として描かれる。

 

ここでの圧倒的な力での一方的な行為、レスリングのような描写とのセリフがレイプの本質を示している。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        
秋のチームのあるカップルのやり取りを一気にみてもらいたい。
チャラい彼氏の流星と、その彼女くるみは出産間近の臨月の妊婦だ。
                                              
                                        
                                                
                                          
                                                                       
「自分は立派だ だからごめんねって思ってる
逃げてることに気づいてない

                                

「わたしと子供に 真剣に向き合うより
命を懸けてるほうが楽だから!」 

                                  

                                                                                                                                                                                                 
説明不要の「7SEEDS」における名シーンのひとつ。 
                                          もちろんこの “命を懸けている”という姿勢 が、男としてかっこいいとされているからそれに逃げることができる。
 
                                                                                                                     
たくさん読んだフェミニズムに関する本で幾度これについて書かれているのを見たことか。
どんなに古いフェミニズムの本であってもそこに共感や発見があり、時代を超えて女たちの連帯を感じられる。
                                                                                                                                   
                                    ……きっと作者はこのやりとりを描くためにこの二人のキャラクターを決めたんだろうなー(∩˘ω˘∩ )♡
                                                                                     
                                                                     
                                          
                                          ところで最近私は、口汚い言葉遣いや強く荒い言葉遣いをとっさに出せるよう練習している。
Twitterなどで文字を打つだけならともかく意外とそれらは口をついて出てこない。
                                          ふだんリアルで
                                    「おいやめろ!」
「ふざけんなボケ!!」
「さわんなクソが!!」
「なめとんのか、いてまうぞコラ!」
                                          とか口にする?? しないよね??
                                          そしてこれらは男の言葉とされている。
                                                                                     『イヤだ やめて 来ないで 寄らないで 触らないで』
                                                                          
                                     「なんだそれ!
どうしてもっと完全拒否の言葉がないんだ!」
 自分をレイプしようとして来てた安吾と再会したときのの言葉。
                                          以前 クズの嫁はできた嫁か で私の働くオフィスでの出来事を書いた。
                                          仕事のことで私に指摘されたある男の営業(私より5歳年下で数年後輩)が、それにキレて数人の社員のいる中で輩口調でからんできたことがあった。
「おまえなにえらっそうな口きいてんねん 今言うたよな?あぁ!?」
                                          オフィスには似つかわしくないそんな言葉でその男は威嚇してきた。

私を萎縮させ二度と自分に注意などさせないように脅すつもりだったのだろう。私はしっかり即座にそれに反論した。

                                                                      
                                          
               

………ものの、

                                                                     
                                          
               

その言葉は相手の輩口調には釣り合わない丁寧語だった。

                                          

そのこと自体に自分自身が驚いたし、 それよりもおどろいたのは、

                                         
 

脅した本人が反論されるとは思っていなかったとわかる狼狽ぶりだった。

                                          
               

                                          とつぜん猫なで声になり、

                                          
               

「社員皆で協力し合って会社を盛り立てていく必要があるでしょ?」

                                                                                    
などと標語のような正しい言葉を連発し、
脅しをかける加害者から和を乱す社員に文句言われた被害者に変化。 
その男は私が「ぜったいに抵抗できない」とふんで、脅してきていたのだろう。それが予想を裏切る反応だったので驚いたのだ。
                                                        
                                  なんでぇ!?Why!?そんなわけないじゃん!?
                                          彼がそう思うようになるまで彼の人生で、どれだけまわりに抵抗できない女がいたのだろう?
想像すると恐ろしいし不思議だ。

 

 

しかしこのことから、ふだんどれだけ私たちが“女らしく”という模範によって、暴力に抵抗する言葉や態度を奪われているかがわかる。

                                          自分の感情、意思、言葉、行動を制限されている。
女らしさの是非以前に、これではいざという時自分の身を守れない。
                                          (ちなみにその男は一か月後会社を辞めました……)
                                                                                                                                                                                                                                                            
                                     「自分で気づいて 危険を回避するんだ
それ以外に生き残る方法はない」
 
                                              「じっとしていたら安全かってゆーと 今はそうじゃないよね
どこも行ってみないとわかんない」
                                                                                                        
必要なのは「自分で気づき、考え、行動すること」だと、
それこそが未来へ行くために今をサバイバルするために必要なことだと、
                                                                     
Aチームが死に物狂いで習得してきた技術は無駄ではなかったことを、彼らが互いに助け合い必要としあう過程で見せていく。
                                                          
                                  
現実は作られた施設ではなくテストではなく、未来は社会より学んだ全てよりも広大だ。
                                                         私たちは読者としてこの物語を楽しんでいる場合ではない。
彼らが命をはってサバイブしている姿は、激動の世界を生きている私たちの姿なのだから。
女たちに必要な最初の武器は、きっとフェミニズムだろう。
                                                                                                                            
                                           
                                        
                                          よっ!蝉丸!イイ男!!(*≧▽≦)